国際機関邦人職員インタビュー 国際移住機関(IOM) 服部真衣さん
JSAG
今回は、国際移住機関(IOM)の事務局長室Gender Coordination Unitにお勤めの服部真衣さんにお話をうかがいました。服部さんは今年春からIOMでの勤務を開始され、IOMの前は同じくジュネーブの国際労働機関(ILO)にてジェンダー平等に携わられており、両機関での仕事の内容から国際機関を志すようになった契機まで広くお話いただきました。聞き手はジュネーブ大学に交換留学をされていた鈴木詩織さんです。
国際機関での勤務に至る経緯
鈴木: 服部さんは現在IOMで勤務されているとのことですが、IOM勤務に至るまでの簡単な経緯を教えていただきたいです。
服部: はい。秋田にある国際教養大学を卒業後、英国ロンドンの大学院で社会政策とジェンダーについて学びました。大学院修了後、ロンドンにある政策研究機関に就職し、ジェンダー平等、ワーク・ファミリーバランス(*家事や育児などの無償ケア労働と有償労働とのバランス)、ダイバーシティー関連政策のジュニア政策研究者として勤務しました。その後、日本に帰国し、国連機関の駐日事務所でインターンシップ(無給)をはじめました。その間、ILOインターンシップの募集を見つけ、ずっとILOの仕事に関心があったことからインターンシップに応募しました。学生時代からカウントすると三度目の応募です。
鈴木: ILOに関心を持ったきっかけは何だったのでしょうか。
服部: 高校生の頃、児童労働に関するドキュメンタリーを観て、当たり前に教育を受けられる自分の置かれた環境がとても恵まれていることに気づき、衝撃を受けました。児童労働について本やインターネットで情報収集をする中で、ILOの児童労働撤廃に関する仕事を知り、興味を持ちました。ILOでは、Gender, Equality and Diversity & ILOAIDS Branch のインターンとして6ヶ月、その後短期契約スタッフとして勤務しました。今年の春から、IOMのGender Coordination Unitからオファーをいただき、IOMに就職しました。Gender Coordination Unitでは、IOMプロジェクトのジェンダー主流化に関する業務を担当しています。
ジェンダーをキャリアの軸にした理由
鈴木: 最初にジェンダーに関するお仕事をされたのはロンドンでの勤務とのことでしたが、なぜジェンダーに関するお仕事を選ばれたのですか。
服部: 日本で育った私には、ジェンダーについて考えることも学ぶ機会もありませんでした。ジェンダーという単語の意味も知りませんでした。きっかけは大学時代の留学先のオーストラリアでワーク・ライフバランスについて考え始めたことでした。私の実家は両親が共働きで、仕事の繁忙期には、母か父のどちらかの帰りが遅いということがよくありました。オーストラリアでは、ホストファミリーのお宅で、毎日家族そろって夕飯を食べていました。その際、「なぜオーストラリアでは夕方家族全員そろって夕飯を食べられるのに、日本(私の家族や私の身の回りの家族)ではできないのだろう?」と疑問を持ちました。 その疑問を胸に日本に帰国し、学士論文では日本の長時間労働、過労死問題、ワーク・ファミリーバランスにについて執筆しました。ワーク・ファミリーバランスについてもっと勉強したいと思い、ロンドンにある大学院への進学を決めました。大学院の教授にワーク・ファミリーバランスの研究にはジェンダーの視点が不可欠であると指摘され、ジェンダーの観点から社会政策を勉強するに至りました。
鈴木: そうなのですね。今も仕事や関心の肝はワーク・ファミリーバランスですか。
服部: ワーク・ファミリーバランスがきっかけで、大学院ではそれに関連した社会政策を勉強し、政策研究機関に就職しました。その中で、ワーク・ファミリーバランスの枠を越えてジェンダーやダイバーシティーについて関心を持つようになりました。 ILOでは様々な社会問題を、ジェンダーやダイバーシティのより広い視点から考えられるようになりました。ILOのGender, Equality and Diversity & ILOAIDS Branch (GED/ILOAIDS)には、ジェンダー、障がい、原住民、HIV・エイズ、暴力・ハラスメントにフォーカスした5つのチームがあります。ジェンダー平等の話をする際、多くの場合に男女平等や女性のエンパワーメントだけが強調されることがありますが、GEDでは前述した通り、ジェンダー、障がい、原住民、HIV・エイズ、暴力・ハラスメントと幅広い視点で物事を考え、「すべての人が平等にディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)へのアクセスを持ち、性、ジェンダー、人種、民族、皮膚の色、障がい、HIVのステータス等によって差別されるべきではない」という理念が、活動の基になっています。通常業務やGED/ILOAIDS同僚との会話を通して、ジェンダー平等への取り組みを男女平等や女性のためのものという考え方ではなく、常に幅広い視点で捉えられるようになりました。
ILOでの業務内容 〜ジェンダーをより広い視点から〜
鈴木: それでは、ILOでの業務内容についてお聞かせください。
服部: ILOでは、3月の国際女性デーイベント(2018年のメインテーマは原住民、農村・漁村における女性)の企画と運営を担当しました。イベントは、Rural Women at Work: Bridging the gapsをテーマに、女性のエンパワーメントに貢献するスリナムのマルーン系民族女性 やILO事務局長を招待し、パネルディスカッションを開催しました。パネルの民族女性が「原住民や農村・漁村で暮らす人々の人権について話し合う際に、私たち(原住民女性)をもっと話し合いの場に呼んでください。意思決定の場に呼んでください。」と訴えていたことが印象に残っています。
鈴木: 具体的には原住民女性たちにはどのような困難があるのですか。
服部: 例えば、気候変動の影響について考えてみてください。多くの原住民や農村・漁村で生活する人々にとって、彼・彼女らのライフスタイルは非常に自然と近いところにあるので、気候変動は原住民の生活や人権と直結しているテーマです。具体的な例として、多くのコミュニティーにおいて生活のための水を汲みに行くのは、女性や子どもの仕事です。気候変動の影響で水源から遠くへ引っ越さなくてはならなくなったり、家の近くの水源から十分な水を得られない状況になったりすると、女性や子どもたちが水汲みに費やす時間が増えます。それによって、学習の機会を失ってしまったり、道中で暴力・ハラスメント、搾取の対象になりやすくなったりすることなどが考えられます。マルーン系民族女性が国際女性デーのイベントで訴えていた通り、原住民、とくに原住民女性の意思決定過程への参加が十分とは言えず、彼・彼女らの声が政策や支援の内容に反映されることが難しいのが現状です。
その他、ケア労働に関するレポートの作成にあたり、気候変動がもたらすケア労働・ケア労働者に対する影響、移民への影響、ケア労働における日本のロボット技術の活用についてのリサーチ、G20やBRICSの開催に合わせた参加国の社会政策評価、同一賃金国際連合 (EPIC)のための同一価値労働同一賃金の促進に携わりました。
鈴木: 仕事内容の他にILOでお仕事をされる魅力を教えて下さい。
服部: ILOでは目や耳の不自由な同僚と働く機会が多くあって、自分の今までの働き方を見直すことができました。今まで当たり前だった働き方では、彼・彼女らと効率よく働くことはできません。会議で「こちらのパワーポイントのグラフをご覧ください」と言っても「これを確認してください」と自分のパソコン画面を指さしても目の不自由な同僚には伝わりません。耳の不自由な同僚には、電話で話すより、メールや手書きで説明したほうがスムーズに伝わります。色の識別が難しい同僚やレポートの読者のためにも、グラフや表を色だけで区別するのではなくパターンや柄を使用するようにしました。どんな人にもできるだけわかりやすく伝わる話し方、書類、Web、パワーポイントの作り方を学び、どんな仕事をする時にもインクルーシブ(包括的)かどうか、すべての人がアクセスできるかどうかということを意識するようになりました。また、法律、経済学、人類学、歴史研究、建築を専門に活動してきた同僚、難民として暮らしていた同僚など、多様なバックグラウンドを持つ同僚と働くことを通して、今までの“当たり前”を良い意味で疑うことができるようになりました。
IOMでの業務内容 〜プロジェクトのジェンダー主流化〜
鈴木: それではIOMについてお聞かせください。
服部: IOMでの仕事は始まったばかりです。事務局長室のGender Coordination Unitで、3人の同僚とともに、 IOMプロジェクトのジェンダー主流化(全てにジェンダーの視点を取り入れること)を強化するための業務を主に担当しています。ジェンダーに関する事柄(性別役割分業など)はその国・地域によって理解のされ方や受け入れ方が様々で、時代とともに変化することもあります。また、すべてのIOMプロジェクト担当者がジェンダー主流化に関して知識が豊富というわけではありませんので、難しいことやもどかしいことも多くありますが、IOM職員に向けたトレーニングなどを通して、様々な分野のプロジェクトがジェンダーを考慮して企画運営されるよう、チームとしてIOMに貢献しています。
鈴木: 具体的にはどういったトレーニングでしょうか。
服部: 例えば、国境管理に関してジェンダーの視点を加味する際の話をしましょう。多くの国、地域では、出入国・国境管理に関わる施設で働く人々の大半が男性です。移民の中には宗教・文化上の理由や、男性からの暴力・性的搾取被害の経験から、男性からボディーチェック受けること、エスコートされることに抵抗を感じる人々がいます。このような人たちも安心して出入国の手続きを進められるよう、施設には男性だけではなく女性の職員を配置するよう勧めています。そうすることで、移住する人々がボディーチェックやエスコートを受ける際に男性と女性のどちらがよいか選べる選択肢を提供できます。
人道・復興支援の現場においても、避難民キャンプの整備や管理にジェンダーの視点が必要不可欠です。例えば、キャンプを整備する際、トランスジェンダー(生まれたときに指定される身体の性と自認する性が別)の人々が安全に使用できるお手洗いがあるのか、車椅子で生活する人々がいつでも使用できるお手洗いが整備されているかなど、ジェンダーやダイバーシティーの視点から必要な支援を確認することはとても大切です。また、性別、性自認、性的指向などを理由に性的暴力・搾取を受け、移住せざるを得ない人々へのサポートや、暴力や搾取の防止をキャンプにおいて徹底することも大変重要です。
長期間にわたる移住のプロセスにおいて、人々の性別やジェンダー、妊娠の有無、子どもを連れての移住かどうか、障がいの種類や程度、保護者同伴なしでの子どもの移住かなど、様々な要因によって必要な支援は変化します。私の所属するGender Coordination Unitは、参加型のワークショップを開催しており、“あなたは妊娠していて、5歳の子どもと一緒に2人だけでA国からB国に移住しなければならなくなりました。○○な状況の際どんな支援を必要としますか”などといったケーススタディー用いて、IOMスタッフが自分事として問題を捉え、ジェンダーやダイバーシティーの視点を取り入れた適切なサポートができるよう取り組んでいます。地道ですが、やりがいがあります。
鈴木: ジェンダーというマクロな視点を持って様々な活動をされているのかと思っていましたが、お話をうかがう限り具体的な事例を一つ一つ取り上げてお仕事をなさっているのですね。
服部: そうですね。プロジェクトの中でジェンダー主流化を取り入れるときは小規模の活動を選んで定期的に確認したり、IOMの現地事務所からリクエストを受けてプロジェクトの企画段階でチェックを入れたりします。IOMのプロジェクトで出入国・国境管理に関わる人々へのトレーニングを行う際は、その参加者のジェンダーバランスに配慮するよう(例えば、最低でも参加者の3、4割は女性になるようにするなど)アドバイスしています。移住に関する情報提供のパンフレットを作成する際は、わかりやすい文章で書かれているか、保護者の同伴なしで国境を越える子ども向けのやさしい内容のパンフレットはあるかなども大切です。また、トランスジェンダーの人々が性転換中に必要なサポートや、HIV陽性の人々、性的暴力・搾取の被害を受けた人々のサポートに関する情報もできる限りパンフレットに載せてもらえるよう働きかけます。ジェンダーの視点というと、女性へのサポートだけのように思われることも多くあるのですが、性自認や性的指向、障がい、HIV/AIDS、原住民としてのバックグランドなど、様々な視点から考え、可能な限りすべての人々に必要な支援を届けるにはどうしたらいいかを考えています。
鈴木: お仕事をされている上で、やりがいは何でしょうか。
服部: 今の業務はあまり形に残る結果が得られるものではありませんが、「性的搾取の被害を受けた方々にとってはこんなサポートが必要だったんだね。真衣に言われるまで気づかなかった!」と言われたときはよかったなと思えます。とても小さいことですが、少しでもどこか遠い地の誰かのためにつながっているのかなと思えることがやりがいです。少しずつですが、社会が私の中でいつも大切にしている”equality for everyone”により近づけるよう貢献していきたいです。
今後のキャリアプラン 〜ジェンダースペシャリストとして〜
鈴木: 多様な観点をお持ちだからこそのやりがいなのですね。今後のキャリアプランについてお聞かせ願えますか。
服部: 将来的には、どの分野でもジェンダーとダイバーシティーの視点を取り入れることができる、その交渉ができるスペシャリストになりたいです。今は、真衣に聞けばきちんとジェンダーセンシティブなプロジェクトにできると頼ってもらえる人材になることが目標です。まだ知識も経験も足りないので、仕事をしていく中で少しずつスキルアップしていきたいです。
鈴木: 有難うございます。仕事はこなすものというイメージがあったのですが、お仕事をしながら勉強をして吸収していっていらっしゃる印象を受け、憧れを抱きました。
服部: ジェンダーやダイバーシティーは、私にとって学習意欲が湧く分野であり、かつライフワークです。ILOもIOMも私にとっては自分の知りたいことについて毎日学習でき、今まで学んできたことを生かせる職場です。日々学びながら、この新しい職場でこれまでの経験をアウトプットしつつ、ジェンダースペシャリストを目指して邁進していきたいと思います。
鈴木: これからもご活躍をお祈りしております。本日はありがとうございました。
国際機関での勤務に至る経緯
鈴木: 服部さんは現在IOMで勤務されているとのことですが、IOM勤務に至るまでの簡単な経緯を教えていただきたいです。
服部: はい。秋田にある国際教養大学を卒業後、英国ロンドンの大学院で社会政策とジェンダーについて学びました。大学院修了後、ロンドンにある政策研究機関に就職し、ジェンダー平等、ワーク・ファミリーバランス(*家事や育児などの無償ケア労働と有償労働とのバランス)、ダイバーシティー関連政策のジュニア政策研究者として勤務しました。その後、日本に帰国し、国連機関の駐日事務所でインターンシップ(無給)をはじめました。その間、ILOインターンシップの募集を見つけ、ずっとILOの仕事に関心があったことからインターンシップに応募しました。学生時代からカウントすると三度目の応募です。
鈴木: ILOに関心を持ったきっかけは何だったのでしょうか。
服部: 高校生の頃、児童労働に関するドキュメンタリーを観て、当たり前に教育を受けられる自分の置かれた環境がとても恵まれていることに気づき、衝撃を受けました。児童労働について本やインターネットで情報収集をする中で、ILOの児童労働撤廃に関する仕事を知り、興味を持ちました。ILOでは、Gender, Equality and Diversity & ILOAIDS Branch のインターンとして6ヶ月、その後短期契約スタッフとして勤務しました。今年の春から、IOMのGender Coordination Unitからオファーをいただき、IOMに就職しました。Gender Coordination Unitでは、IOMプロジェクトのジェンダー主流化に関する業務を担当しています。
ジェンダーをキャリアの軸にした理由
鈴木: 最初にジェンダーに関するお仕事をされたのはロンドンでの勤務とのことでしたが、なぜジェンダーに関するお仕事を選ばれたのですか。
服部: 日本で育った私には、ジェンダーについて考えることも学ぶ機会もありませんでした。ジェンダーという単語の意味も知りませんでした。きっかけは大学時代の留学先のオーストラリアでワーク・ライフバランスについて考え始めたことでした。私の実家は両親が共働きで、仕事の繁忙期には、母か父のどちらかの帰りが遅いということがよくありました。オーストラリアでは、ホストファミリーのお宅で、毎日家族そろって夕飯を食べていました。その際、「なぜオーストラリアでは夕方家族全員そろって夕飯を食べられるのに、日本(私の家族や私の身の回りの家族)ではできないのだろう?」と疑問を持ちました。 その疑問を胸に日本に帰国し、学士論文では日本の長時間労働、過労死問題、ワーク・ファミリーバランスにについて執筆しました。ワーク・ファミリーバランスについてもっと勉強したいと思い、ロンドンにある大学院への進学を決めました。大学院の教授にワーク・ファミリーバランスの研究にはジェンダーの視点が不可欠であると指摘され、ジェンダーの観点から社会政策を勉強するに至りました。
鈴木: そうなのですね。今も仕事や関心の肝はワーク・ファミリーバランスですか。
服部: ワーク・ファミリーバランスがきっかけで、大学院ではそれに関連した社会政策を勉強し、政策研究機関に就職しました。その中で、ワーク・ファミリーバランスの枠を越えてジェンダーやダイバーシティーについて関心を持つようになりました。 ILOでは様々な社会問題を、ジェンダーやダイバーシティのより広い視点から考えられるようになりました。ILOのGender, Equality and Diversity & ILOAIDS Branch (GED/ILOAIDS)には、ジェンダー、障がい、原住民、HIV・エイズ、暴力・ハラスメントにフォーカスした5つのチームがあります。ジェンダー平等の話をする際、多くの場合に男女平等や女性のエンパワーメントだけが強調されることがありますが、GEDでは前述した通り、ジェンダー、障がい、原住民、HIV・エイズ、暴力・ハラスメントと幅広い視点で物事を考え、「すべての人が平等にディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)へのアクセスを持ち、性、ジェンダー、人種、民族、皮膚の色、障がい、HIVのステータス等によって差別されるべきではない」という理念が、活動の基になっています。通常業務やGED/ILOAIDS同僚との会話を通して、ジェンダー平等への取り組みを男女平等や女性のためのものという考え方ではなく、常に幅広い視点で捉えられるようになりました。
ILOでの業務内容 〜ジェンダーをより広い視点から〜
鈴木: それでは、ILOでの業務内容についてお聞かせください。
服部: ILOでは、3月の国際女性デーイベント(2018年のメインテーマは原住民、農村・漁村における女性)の企画と運営を担当しました。イベントは、Rural Women at Work: Bridging the gapsをテーマに、女性のエンパワーメントに貢献するスリナムのマルーン系民族女性 やILO事務局長を招待し、パネルディスカッションを開催しました。パネルの民族女性が「原住民や農村・漁村で暮らす人々の人権について話し合う際に、私たち(原住民女性)をもっと話し合いの場に呼んでください。意思決定の場に呼んでください。」と訴えていたことが印象に残っています。
鈴木: 具体的には原住民女性たちにはどのような困難があるのですか。
服部: 例えば、気候変動の影響について考えてみてください。多くの原住民や農村・漁村で生活する人々にとって、彼・彼女らのライフスタイルは非常に自然と近いところにあるので、気候変動は原住民の生活や人権と直結しているテーマです。具体的な例として、多くのコミュニティーにおいて生活のための水を汲みに行くのは、女性や子どもの仕事です。気候変動の影響で水源から遠くへ引っ越さなくてはならなくなったり、家の近くの水源から十分な水を得られない状況になったりすると、女性や子どもたちが水汲みに費やす時間が増えます。それによって、学習の機会を失ってしまったり、道中で暴力・ハラスメント、搾取の対象になりやすくなったりすることなどが考えられます。マルーン系民族女性が国際女性デーのイベントで訴えていた通り、原住民、とくに原住民女性の意思決定過程への参加が十分とは言えず、彼・彼女らの声が政策や支援の内容に反映されることが難しいのが現状です。
その他、ケア労働に関するレポートの作成にあたり、気候変動がもたらすケア労働・ケア労働者に対する影響、移民への影響、ケア労働における日本のロボット技術の活用についてのリサーチ、G20やBRICSの開催に合わせた参加国の社会政策評価、同一賃金国際連合 (EPIC)のための同一価値労働同一賃金の促進に携わりました。
鈴木: 仕事内容の他にILOでお仕事をされる魅力を教えて下さい。
服部: ILOでは目や耳の不自由な同僚と働く機会が多くあって、自分の今までの働き方を見直すことができました。今まで当たり前だった働き方では、彼・彼女らと効率よく働くことはできません。会議で「こちらのパワーポイントのグラフをご覧ください」と言っても「これを確認してください」と自分のパソコン画面を指さしても目の不自由な同僚には伝わりません。耳の不自由な同僚には、電話で話すより、メールや手書きで説明したほうがスムーズに伝わります。色の識別が難しい同僚やレポートの読者のためにも、グラフや表を色だけで区別するのではなくパターンや柄を使用するようにしました。どんな人にもできるだけわかりやすく伝わる話し方、書類、Web、パワーポイントの作り方を学び、どんな仕事をする時にもインクルーシブ(包括的)かどうか、すべての人がアクセスできるかどうかということを意識するようになりました。また、法律、経済学、人類学、歴史研究、建築を専門に活動してきた同僚、難民として暮らしていた同僚など、多様なバックグラウンドを持つ同僚と働くことを通して、今までの“当たり前”を良い意味で疑うことができるようになりました。
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| (GED同僚とIDAHO Day 国際反ホモフォビア・トランスフォビアの日イベントにて Photo credit: ILO GED/ILOAIDS) |
IOMでの業務内容 〜プロジェクトのジェンダー主流化〜
鈴木: それではIOMについてお聞かせください。
服部: IOMでの仕事は始まったばかりです。事務局長室のGender Coordination Unitで、3人の同僚とともに、 IOMプロジェクトのジェンダー主流化(全てにジェンダーの視点を取り入れること)を強化するための業務を主に担当しています。ジェンダーに関する事柄(性別役割分業など)はその国・地域によって理解のされ方や受け入れ方が様々で、時代とともに変化することもあります。また、すべてのIOMプロジェクト担当者がジェンダー主流化に関して知識が豊富というわけではありませんので、難しいことやもどかしいことも多くありますが、IOM職員に向けたトレーニングなどを通して、様々な分野のプロジェクトがジェンダーを考慮して企画運営されるよう、チームとしてIOMに貢献しています。
鈴木: 具体的にはどういったトレーニングでしょうか。
服部: 例えば、国境管理に関してジェンダーの視点を加味する際の話をしましょう。多くの国、地域では、出入国・国境管理に関わる施設で働く人々の大半が男性です。移民の中には宗教・文化上の理由や、男性からの暴力・性的搾取被害の経験から、男性からボディーチェック受けること、エスコートされることに抵抗を感じる人々がいます。このような人たちも安心して出入国の手続きを進められるよう、施設には男性だけではなく女性の職員を配置するよう勧めています。そうすることで、移住する人々がボディーチェックやエスコートを受ける際に男性と女性のどちらがよいか選べる選択肢を提供できます。
人道・復興支援の現場においても、避難民キャンプの整備や管理にジェンダーの視点が必要不可欠です。例えば、キャンプを整備する際、トランスジェンダー(生まれたときに指定される身体の性と自認する性が別)の人々が安全に使用できるお手洗いがあるのか、車椅子で生活する人々がいつでも使用できるお手洗いが整備されているかなど、ジェンダーやダイバーシティーの視点から必要な支援を確認することはとても大切です。また、性別、性自認、性的指向などを理由に性的暴力・搾取を受け、移住せざるを得ない人々へのサポートや、暴力や搾取の防止をキャンプにおいて徹底することも大変重要です。
長期間にわたる移住のプロセスにおいて、人々の性別やジェンダー、妊娠の有無、子どもを連れての移住かどうか、障がいの種類や程度、保護者同伴なしでの子どもの移住かなど、様々な要因によって必要な支援は変化します。私の所属するGender Coordination Unitは、参加型のワークショップを開催しており、“あなたは妊娠していて、5歳の子どもと一緒に2人だけでA国からB国に移住しなければならなくなりました。○○な状況の際どんな支援を必要としますか”などといったケーススタディー用いて、IOMスタッフが自分事として問題を捉え、ジェンダーやダイバーシティーの視点を取り入れた適切なサポートができるよう取り組んでいます。地道ですが、やりがいがあります。
鈴木: ジェンダーというマクロな視点を持って様々な活動をされているのかと思っていましたが、お話をうかがう限り具体的な事例を一つ一つ取り上げてお仕事をなさっているのですね。
服部: そうですね。プロジェクトの中でジェンダー主流化を取り入れるときは小規模の活動を選んで定期的に確認したり、IOMの現地事務所からリクエストを受けてプロジェクトの企画段階でチェックを入れたりします。IOMのプロジェクトで出入国・国境管理に関わる人々へのトレーニングを行う際は、その参加者のジェンダーバランスに配慮するよう(例えば、最低でも参加者の3、4割は女性になるようにするなど)アドバイスしています。移住に関する情報提供のパンフレットを作成する際は、わかりやすい文章で書かれているか、保護者の同伴なしで国境を越える子ども向けのやさしい内容のパンフレットはあるかなども大切です。また、トランスジェンダーの人々が性転換中に必要なサポートや、HIV陽性の人々、性的暴力・搾取の被害を受けた人々のサポートに関する情報もできる限りパンフレットに載せてもらえるよう働きかけます。ジェンダーの視点というと、女性へのサポートだけのように思われることも多くあるのですが、性自認や性的指向、障がい、HIV/AIDS、原住民としてのバックグランドなど、様々な視点から考え、可能な限りすべての人々に必要な支援を届けるにはどうしたらいいかを考えています。
鈴木: お仕事をされている上で、やりがいは何でしょうか。
服部: 今の業務はあまり形に残る結果が得られるものではありませんが、「性的搾取の被害を受けた方々にとってはこんなサポートが必要だったんだね。真衣に言われるまで気づかなかった!」と言われたときはよかったなと思えます。とても小さいことですが、少しでもどこか遠い地の誰かのためにつながっているのかなと思えることがやりがいです。少しずつですが、社会が私の中でいつも大切にしている”equality for everyone”により近づけるよう貢献していきたいです。
今後のキャリアプラン 〜ジェンダースペシャリストとして〜
鈴木: 多様な観点をお持ちだからこそのやりがいなのですね。今後のキャリアプランについてお聞かせ願えますか。
服部: 将来的には、どの分野でもジェンダーとダイバーシティーの視点を取り入れることができる、その交渉ができるスペシャリストになりたいです。今は、真衣に聞けばきちんとジェンダーセンシティブなプロジェクトにできると頼ってもらえる人材になることが目標です。まだ知識も経験も足りないので、仕事をしていく中で少しずつスキルアップしていきたいです。
鈴木: 有難うございます。仕事はこなすものというイメージがあったのですが、お仕事をしながら勉強をして吸収していっていらっしゃる印象を受け、憧れを抱きました。
服部: ジェンダーやダイバーシティーは、私にとって学習意欲が湧く分野であり、かつライフワークです。ILOもIOMも私にとっては自分の知りたいことについて毎日学習でき、今まで学んできたことを生かせる職場です。日々学びながら、この新しい職場でこれまでの経験をアウトプットしつつ、ジェンダースペシャリストを目指して邁進していきたいと思います。
鈴木: これからもご活躍をお祈りしております。本日はありがとうございました。
12:46
インタビュー
勉強会: 国際機関の幹部職員を目指すために「必要な能力」と「必要なこと」
JSAG
2019年6月4日(火)、JSAGと在ジュネーブ国際機関日本政府代表部の共催で標題をテーマにした勉強会を開催しました。
今回は、国際機関で幹部職員を経験され、JSAGの第2代会長も務められた滝澤三郎氏を基調講演者としてお迎えするとともに、ジュネーブの国際機関で現役の幹部職員としてご活躍の方と現役の人事部職員としてご活躍の邦人の方を交え、パネルディスカッションを開催いたしました。
基調講演者及びパネリストの方々は以下の方々です。
・NPO法人国連UNHCR協会特別顧問
滝澤 三郎 氏
・国連合同監査団(JIU)監査官
上岡 恵子 氏
・グローバルファンド(GFATM)戦略投資効果局長 國井 修 氏
・国連人道問題調整事務所(OHCA)人事部HRビジネスパートナー 澤田 泰子 氏
基調講演では、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の財務局長など国際機関において幹部職員を経験された滝澤氏から、標題のテーマに関してご自身の経験などを踏まえてお話し頂きました。
滝澤氏からは、参加者に対して、国際機関職員として「自分は国際機関でどのような「貢献」をしていきたいのか、自分にはどのような能力で組織に対し貢献していくことができるのか、将来自分の目的とすることを実現していくためには今どのような努力をしていくことが必要なのか」について明確化し、仕事を通して自分の能力や専門性を高めていくことの重要性が語られました。その上で、昇進を目指すために必要な具体的な行動としては、組織と上司に必要とされる人材となるべく与えられた仕事+αの成果を上げていくようにすること(とりわけ着任から100日以内に成果を上げることが大切であること)、加えて、日本人的な感覚(Passive)から抜け出し、会議においては積極的に自分の考えを発表するなど“Assertive”となっていくこと(日本人的な謙遜や寡黙であることは評価されないことを理解すること)、SNSなどを活用し自身の成果をアピールし組織内外に自分の支援者を増やしていくことなどが重要であることなどが語られました。(滝澤氏の講演資料)
続いて行われたパネルディスカッションでは、上記4名のパネリストの方にJSAG高木会長も交え、活発な意見交換が行われました。
上岡氏からは、ポスト獲得競争を勝ち抜いていくためには、自分の能力や組織に貢献できる自分の専門性を明確な軸として持った上で、積極的にネットワーキング活動を行い、自分の強みを上司等にアピールしていくことの重要性などが語られました。
國井氏からは、単に幹部職員を目指したいということだけではなく、「自分が何をしたいのか。人生の目標をどこにおいて、そのために国際機関に入って何をしたいのか。」について明確なビジョンを持った上で、仕事に取り組んで「骨太の専門性」と実力をつけていくことが重要であることなどが語られました。
澤田氏からは、ポスト獲得を巡る競争が厳しくなってきている状況下では、中長期的に自分がどうなっていきたいのかというビジョンについて常に問い続けるとともに、様々なポストにアプライし諦めずにチャレンジを続けていくことの重要性などが語られました。
最後に、フロアからパネリストへの質問という形で議論が交わされました。参加者からはパネリストに対し、「幹部職員になるために必要なマネジメントスキル」、「昇進に必要な、また有効なネットワーキング活動のあり方」等に関する質問が寄せられ、パネリストからは、「マネジメントスキルを身につけていくためには、日々の業務において上司が行っていることなどをみて自分が管理職であればどのように対処していくべきかについて考えていくことが有効」であること、ネットワーキング活動に関しては「上司等に自身の成果をアピールしていくとともに自分のキャリアの希望を知ってもらうことに心がけることが有効」であること、といったパネリストの経験に基づいた貴重なアドバイスが語られていました。
JSAGでは、今後も会員のニーズ等も踏まえて、勉強会やセミナーを企画していく予定です。積極的なご参加をお待ちしています。
16:19
講演会・勉強会
在外公館長表彰を受賞しました
JSAG
ジュネーブ国際機関日本人職員会(JSAG)は2003年に、ジュネーブにある国連・国際機関で働く日本人職員の交流と研鑽を目的として数名の有志により設立された任意団体で、以来、職員のボランティアにより、職員間のネットワーキング、勉強会・講演会の実施、国際機関就職関連情報の発信、キャリアセミナー・学生訪問受け入れなどに取り組んできました。
2015年3月~2018年2月に第六代JSAG会長を務め、現在JSAG顧問の國井修・グローバルファンド戦略投資効果局長からは、特に若い世代に向けたJSAGの活動へのさらなる協力が呼びかけられました。
JSAGはこの度、ジュネーブの日本人国際機関職員間の相互理解・連携の強化や、国際機関における日本人職員の増強に貢献してきた功績が認められ、在ジュネーブ国際機関日本政府代表部の伊原純一特命全権大使より在外公館長表彰を授与されました。4月30日には、大使公邸において授賞式が開催され、伊原大使から、JSAG会長の高木善幸・世界知的所有権機関(WIPO)事務局長補に表彰状が手渡されました。
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| 伊原大使(右)から表彰状を受け取る高木会長(左) |
高木会長は、JSAGの活動に対する代表部からの支援や、歴代会長および幹事のリーダーシップ・創意・貢献に謝辞を述べ、授賞式にあたって寄せられた歴代会長をはじめとする以下の皆様からの祝辞を披露しました。
- 久山純弘氏:初代JSAG会長(2003-2004年)、当時、国連合同監視団(JIU)議長(1995-2004年)、前国連事務次長補(1984-1993年)
- 滝澤三郎氏:第二代JSAG会長(2005-2006年)、当時、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)財務局長(2002-2006年)
- 猪又忠徳氏:第五代JSAG会長(2012-2014年)、当時、国連合同監視団(JIU)委員(2005-2014年)
- 中谷比呂樹氏:前世界保健機関(WHO)事務局長補(2007-2015年)
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| 岡庭大使(右)から花束を受け取る國井前会長(左) |
JSAGの活動にご興味がある方は、ぜひメーリングリストにご登録ください。勉強会等イベントの情報や、国際機関就職関連情報を随時配信しています。メーリングリストには、国際機関職員だけでなく、国際機関や開発協力の仕事に関心のあるすべての方に登録していただけます。利用規定をご確認の上、ぜひこちらからご登録ください。
またJSAGの活動は、ジュネーブ国際機関職員の有志からなる運営委員(幹事)が中心となって企画しています。現在の幹事メンバーはこちらからご覧いただけます。ジュネーブ国際機関職員で、運営への参加にご関心のある方はぜひお近くの幹事へご連絡ください。
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| JSAG運営委員メンバー |
23:24
「奈良県次世代養成事業」ジュネーブ訪問
JSAG
2019年3月14日、奈良県次世代養成事業でジュネーブを訪問中の青年団(奈良県出身の学生又は奈良県内の大学等に通う学生)と、JSAGを代表して世界保健機関(WHO)の職員等が座談会を行いました。5名の大学生等が参加され、国際機関での仕事や職員のこれまでの経験等について、活発な質疑応答が行われました。
15:22
イベント報告
学習院女子大学によるジュネーブ訪問
JSAG
2019年2月26日から3月5日まで、学習院女子大学の中島崇文教授率いる学生の皆さんが、ジュネーブにある国連・国際機関を訪問されました。
6回目となる今回は、14名の学生さんが参加されました。
滞在中は、国際労働機関(ILO)、国際移住機関(IOM)、国連貿易開発会議(UNCTAD)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国連児童基金(UNICEF)、世界保健機関(WHO)、世界知的所有権機関(WIPO)、グローバルファンド、および在ジュネーブ国際機関日本政府代表部の、計9つの機関を訪問し、それぞれの職員から説明を受けました。
さらに、ジュネーブ大学の日本語の授業や国連本部の見学ツアーへの参加、国連図書館、国連博物館、国際赤十字博物館などを見学されるなど、充実したスケジュールを過ごされたとのことです。

うちWIPOでは、職員も利用するカフェテリアでの昼食の後、職員によるプレゼンテーションと活発な質疑応答の場を楽しみ、簡単な施設見学を行いました。

参加者から寄せられた感想をご紹介します。
「専門的な業務内容は、きっと難しく理解しにくいだろうと思っていたが、職員の方々のお話を伺って、実際には身近な問題だと認識を改めることができた」
「職員の方々が、国際公務員として、強い信念と熱意をもって日々仕事に向き合われていることが印象的で、将来自分もそんな仕事を見つけたいと思った」
「国際機関で働くためのキャリア形成の方法や、必要なスキルや態度、海外で生活し働くことの苦労話などを生の声として聞くことができ、参考になった。」
「各国際機関が今現在取り組んでいる具体的なプロジェクト、それに対する課題と挑戦を学ぶこことができたのは、日本ではなかなかできない経験だった」

文責:モンルワ幸希(WIPOジュネーヴ本部/著作権・クリエイティブ産業部)
6回目となる今回は、14名の学生さんが参加されました。
滞在中は、国際労働機関(ILO)、国際移住機関(IOM)、国連貿易開発会議(UNCTAD)、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、国連児童基金(UNICEF)、世界保健機関(WHO)、世界知的所有権機関(WIPO)、グローバルファンド、および在ジュネーブ国際機関日本政府代表部の、計9つの機関を訪問し、それぞれの職員から説明を受けました。
さらに、ジュネーブ大学の日本語の授業や国連本部の見学ツアーへの参加、国連図書館、国連博物館、国際赤十字博物館などを見学されるなど、充実したスケジュールを過ごされたとのことです。
うちWIPOでは、職員も利用するカフェテリアでの昼食の後、職員によるプレゼンテーションと活発な質疑応答の場を楽しみ、簡単な施設見学を行いました。

参加者から寄せられた感想をご紹介します。
「専門的な業務内容は、きっと難しく理解しにくいだろうと思っていたが、職員の方々のお話を伺って、実際には身近な問題だと認識を改めることができた」
「職員の方々が、国際公務員として、強い信念と熱意をもって日々仕事に向き合われていることが印象的で、将来自分もそんな仕事を見つけたいと思った」
「国際機関で働くためのキャリア形成の方法や、必要なスキルや態度、海外で生活し働くことの苦労話などを生の声として聞くことができ、参考になった。」
「各国際機関が今現在取り組んでいる具体的なプロジェクト、それに対する課題と挑戦を学ぶこことができたのは、日本ではなかなかできない経験だった」
文責:モンルワ幸希(WIPOジュネーヴ本部/著作権・クリエイティブ産業部)
13:27
イベント報告
横浜市立大学「国連海外調査実習」の開催報告
JSAG
2019年2月12日から2月21日まで、横浜市立大学による国連海外調査実習が開催されました。
横浜市立大学国際総合科学部グローバル協力コースでは年に一度、学生の専攻分野・研究テーマに応じて東南アジア、アフリカ、国際機関への調査実習を開催しています。横浜市立大学では、学生たちが国際問題に強く関心を持ち、地球規模課題に果敢に挑戦する知識と意欲、英語力とコミュニケーション力を身につけ、将来は国際機関で働く契機となることを目標に、こうしたプログラムを構成しています。
今年度は、2017年10月より5ヶ月間ほどジュネーブ国際関係・開発研究大学院大学(Graduate Institute)に在籍され、JSAGの活動にもお力添えを頂いた横浜市立大学の上村雄彦教授とクレベール・ギミール教授の引率のもと18名の学部生がツアーに参加されました。
学生達は「女性」「食糧」「労働」「平和」の4つのテーマに分かれ、一週間ほどかけて関係者への聞き取り調査を行い、英語による論文を仕上げることを目標に実習を行いました。JSAGでは、主に訪問受入れのお手伝いをさせて頂きました。
今回の調査実習では以下の研究課題について、様々な国際機関での発表とディスカッションが行われました。
(4つのテーマ概要)
[女性班] 「武器としての性暴力」がルワンダ、コンゴ民主共和国から拡大する可能性
[食糧班] 日本におけるフードロスを改善するための食育の可能性と課題
[労働班] 日本の長時間労働問題の解決に、労働組合が果たす役割
[平和班] 武器輸出によって、日本の平和が変質する可能性
(調査訪問先機関)
- 国際連合 ヨーロッパ本部(パレ デ ナシオン)
- 国際労働機関 (ILO)
- 世界保健機関 (WHO)
- 武器貿易条約事務局(ATT Secretariat)
- 世界自然保護基金(WWF)
- ジュネーブ国際関係・開発研究高等究所 (Graduate Institute)
それぞれの研究課題について、さまざまな視点からディスカッションが繰り広げられ、各研究テーマに精通する現役職員からのフィードバックに真剣に耳を傾け、また鋭い視点からの質問を投げかける学生達の学習意欲の高さが非常に印象的でした。
また各機関への訪問のほか、国際機関邦人職員との交流会、JSAG前会長でグローバルファンドの國井修先生による講演、ジュネーブ国際機関代表部で公使によるブリーフィングなども同時に開催され、学生達にとっては非常に充実した1週間のジュネーブ滞在となりました。
参加された学生からは「自分の英語力不足を実感した。もっと英語で発言をし、意見を伝えられるようになりたい。」「現役国連職員に自分たちの研究に対するフィードバックをもらえたことが嬉しかった。現役職員からの意見は日本では得ることのできない貴重な情報源となった。」「国連職員は“偉い人”だと思っていたけれど、とても優しくて人材育成にも積極的であることを感じ取れた」というたくさんの前向きな感想が寄せられました。
同時に「国連組織がとても大きいので全体像を把握するのが難しい。わかりやすく組織構成を知ることができればよかった。」という意見もあり今後の訪問受入れへの参考になる声も寄せられました。
JSAGではこれからも、将来の国際機関への就職、グローバルな視点からの問題解決を担う若者世代へのサポートを続けていきたいと考えております。
17:38
JSAG主催「国際機関訪問ツアー」の開催報告
JSAG
JSAG主催「国際機関訪問ツアー」の開催報告
2019年1月16日、JSAGの主催により、学生を対象とする「国際機関訪問ツアー」が実施されました。
これまでも、JSAGでは日本の大学などの依頼を受けて、ジュネーブを訪れるスタディーツアーの調整や受入れを行って来ました。その一方で、ジュネーブやその周辺で日頃、留学生として学びながらも、国際機関に接する機会のない学生さんも大勢おられます。
そこで、今回は、初の試みとして、JSAGが自らツアーを主催し、国際機関に勤務するメンバーがリレー方式で、学生さんを施設内にご案内。国際機関の内部の様子や、仕事の実際を肌で感じていただく企画を立てました。
ツアーには予想を上回る22人が応募。ジュネーブやスイス国内にとどまらず、英国、スウェーデン、さらにはチェコからの参加者もあり、学生の皆さんの関心の高さを知ることが出来ました。
今回の訪問先は、以下の5機関です。
・世界保健機関(WHO)
・国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)
・世界知的所有権機関(WIPO)
・世界貿易機関(WTO)
・国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)
参加者は、これまでテレビでしか見たことのない、総会の会場やラウンジなどに入り、少々緊張気味でしたが、先輩職員たちの話しに真剣に耳を傾けていました。特に、各機関での仕事の方針や役割、求められる人材などの説明には、参加者から様々な質問が寄せられました。
ツアーを終えた参加者からは「様々な機関を一度に回ることで、機関ごとの特色や雰囲気の違いが感じられた」「実際に勤務されている職員から話しを聞くことができ、大変有意義であった」「今後の進路を考えるにあたって励みになった」と言った感想が語られました。
JSAGでは、今後も、グローバル社会を担う若い世代の育成のため、日本人留学生などを対象に、様々なサポートを行っていきたいと考えています。
22:28
イベント報告
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