横浜市立大学「国連海外調査実習」の開催報告
2019年2月12日から2月21日まで、横浜市立大学による国連海外調査実習が開催されました。
横浜市立大学国際総合科学部グローバル協力コースでは年に一度、学生の専攻分野・研究テーマに応じて東南アジア、アフリカ、国際機関への調査実習を開催しています。横浜市立大学では、学生たちが国際問題に強く関心を持ち、地球規模課題に果敢に挑戦する知識と意欲、英語力とコミュニケーション力を身につけ、将来は国際機関で働く契機となることを目標に、こうしたプログラムを構成しています。
今年度は、2017年10月より5ヶ月間ほどジュネーブ国際関係・開発研究大学院大学(Graduate Institute)に在籍され、JSAGの活動にもお力添えを頂いた横浜市立大学の上村雄彦教授とクレベール・ギミール教授の引率のもと18名の学部生がツアーに参加されました。
学生達は「女性」「食糧」「労働」「平和」の4つのテーマに分かれ、一週間ほどかけて関係者への聞き取り調査を行い、英語による論文を仕上げることを目標に実習を行いました。JSAGでは、主に訪問受入れのお手伝いをさせて頂きました。
今回の調査実習では以下の研究課題について、様々な国際機関での発表とディスカッションが行われました。
(4つのテーマ概要)
[女性班] 「武器としての性暴力」がルワンダ、コンゴ民主共和国から拡大する可能性
[食糧班] 日本におけるフードロスを改善するための食育の可能性と課題
[労働班] 日本の長時間労働問題の解決に、労働組合が果たす役割
[平和班] 武器輸出によって、日本の平和が変質する可能性
(調査訪問先機関)
- 国際連合 ヨーロッパ本部(パレ デ ナシオン)
- 国際労働機関 (ILO)
- 世界保健機関 (WHO)
- 武器貿易条約事務局(ATT Secretariat)
- 世界自然保護基金(WWF)
- ジュネーブ国際関係・開発研究高等究所 (Graduate Institute)
それぞれの研究課題について、さまざまな視点からディスカッションが繰り広げられ、各研究テーマに精通する現役職員からのフィードバックに真剣に耳を傾け、また鋭い視点からの質問を投げかける学生達の学習意欲の高さが非常に印象的でした。
また各機関への訪問のほか、国際機関邦人職員との交流会、JSAG前会長でグローバルファンドの國井修先生による講演、ジュネーブ国際機関代表部で公使によるブリーフィングなども同時に開催され、学生達にとっては非常に充実した1週間のジュネーブ滞在となりました。
参加された学生からは「自分の英語力不足を実感した。もっと英語で発言をし、意見を伝えられるようになりたい。」「現役国連職員に自分たちの研究に対するフィードバックをもらえたことが嬉しかった。現役職員からの意見は日本では得ることのできない貴重な情報源となった。」「国連職員は“偉い人”だと思っていたけれど、とても優しくて人材育成にも積極的であることを感じ取れた」というたくさんの前向きな感想が寄せられました。
同時に「国連組織がとても大きいので全体像を把握するのが難しい。わかりやすく組織構成を知ることができればよかった。」という意見もあり今後の訪問受入れへの参考になる声も寄せられました。
JSAGではこれからも、将来の国際機関への就職、グローバルな視点からの問題解決を担う若者世代へのサポートを続けていきたいと考えております。
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