勉強会: 国際機関の幹部職員を目指すために「必要な能力」と「必要なこと」
2019年6月4日(火)、JSAGと在ジュネーブ国際機関日本政府代表部の共催で標題をテーマにした勉強会を開催しました。
今回は、国際機関で幹部職員を経験され、JSAGの第2代会長も務められた滝澤三郎氏を基調講演者としてお迎えするとともに、ジュネーブの国際機関で現役の幹部職員としてご活躍の方と現役の人事部職員としてご活躍の邦人の方を交え、パネルディスカッションを開催いたしました。
基調講演者及びパネリストの方々は以下の方々です。
・NPO法人国連UNHCR協会特別顧問
滝澤 三郎 氏
・国連合同監査団(JIU)監査官
上岡 恵子 氏
・グローバルファンド(GFATM)戦略投資効果局長 國井 修 氏
・国連人道問題調整事務所(OHCA)人事部HRビジネスパートナー 澤田 泰子 氏
基調講演では、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の財務局長など国際機関において幹部職員を経験された滝澤氏から、標題のテーマに関してご自身の経験などを踏まえてお話し頂きました。
滝澤氏からは、参加者に対して、国際機関職員として「自分は国際機関でどのような「貢献」をしていきたいのか、自分にはどのような能力で組織に対し貢献していくことができるのか、将来自分の目的とすることを実現していくためには今どのような努力をしていくことが必要なのか」について明確化し、仕事を通して自分の能力や専門性を高めていくことの重要性が語られました。その上で、昇進を目指すために必要な具体的な行動としては、組織と上司に必要とされる人材となるべく与えられた仕事+αの成果を上げていくようにすること(とりわけ着任から100日以内に成果を上げることが大切であること)、加えて、日本人的な感覚(Passive)から抜け出し、会議においては積極的に自分の考えを発表するなど“Assertive”となっていくこと(日本人的な謙遜や寡黙であることは評価されないことを理解すること)、SNSなどを活用し自身の成果をアピールし組織内外に自分の支援者を増やしていくことなどが重要であることなどが語られました。(滝澤氏の講演資料)
続いて行われたパネルディスカッションでは、上記4名のパネリストの方にJSAG高木会長も交え、活発な意見交換が行われました。
上岡氏からは、ポスト獲得競争を勝ち抜いていくためには、自分の能力や組織に貢献できる自分の専門性を明確な軸として持った上で、積極的にネットワーキング活動を行い、自分の強みを上司等にアピールしていくことの重要性などが語られました。
國井氏からは、単に幹部職員を目指したいということだけではなく、「自分が何をしたいのか。人生の目標をどこにおいて、そのために国際機関に入って何をしたいのか。」について明確なビジョンを持った上で、仕事に取り組んで「骨太の専門性」と実力をつけていくことが重要であることなどが語られました。
澤田氏からは、ポスト獲得を巡る競争が厳しくなってきている状況下では、中長期的に自分がどうなっていきたいのかというビジョンについて常に問い続けるとともに、様々なポストにアプライし諦めずにチャレンジを続けていくことの重要性などが語られました。
最後に、フロアからパネリストへの質問という形で議論が交わされました。参加者からはパネリストに対し、「幹部職員になるために必要なマネジメントスキル」、「昇進に必要な、また有効なネットワーキング活動のあり方」等に関する質問が寄せられ、パネリストからは、「マネジメントスキルを身につけていくためには、日々の業務において上司が行っていることなどをみて自分が管理職であればどのように対処していくべきかについて考えていくことが有効」であること、ネットワーキング活動に関しては「上司等に自身の成果をアピールしていくとともに自分のキャリアの希望を知ってもらうことに心がけることが有効」であること、といったパネリストの経験に基づいた貴重なアドバイスが語られていました。
JSAGでは、今後も会員のニーズ等も踏まえて、勉強会やセミナーを企画していく予定です。積極的なご参加をお待ちしています。
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