JSAG総会・講演会及び交流会のお知らせ

2017127
運営委員会


ジュネーブ国際機関日本人職員会(JSAG)では、会則に基づき、2017年度の総会を下記の予定にて開催し、活動および会計報告を行うとともに、今後の活動予定等について意見交換を行いますので、会員の皆様のご出席をお願いいたします。

総会に引き続き、世界経済フォーラムの高橋様による「ダボス会議報告と舞台裏」と題した講演を予定しております。激動の時代に世界の政財界のリーダー達が何を語ったのか、その会議を支える裏方の仕事について、お話し頂きます。

また、この機会にJSAG会員と志野大使を初めとする日本政府代表部職員の交流会を実施する運びとなりました。会員や国際機関を志望する方,大使をはじめとした代表部の方々の貴重な交流や意見交換の場になることと思いますので、ご出席くださいますようご案内申しあげます。

   なお、JSAG総会の参加者は、国際機関の邦人職員または元職員とさせて頂きますので、ご了承下さい。講演会・交流会には日本国籍の方でしたらどなたでもご参加頂けます。

  ご出席いただけます方は、パスポートに記載されているローマ字表記の氏名、所属機関(代表部に事前に参加者の登録をするために必要な情報)を参加申し込み用サイト(https://docs.google.com/forms/d/1sOm_ydk-CSNPC8lyvA8sOxPYjXznH7M815uqeC5SFrQ/edit)にて、29()までにご登録下さい。

当日、代表部に入るための身分証明として、パスポート若しくはスイスの身分証明書を必ずお持ちください。

また、代表部には駐車場がございませんので、公共交通機関のご利用をお願いいたします。


1.日時:   2017216 
1740分~  JSAG総会
1820分~ 世界経済フォーラム高橋氏による講演
19時~      交流会

2.場所:  在ジュネーブ国際機関日本政府代表部
                      3, chemin des Fins, 1218 Grand-Saconnex, Geneve
  
3.総会議題
           2016年の活動及び会計報告
2017年の会長の選出
2017年の活動予定
質疑応答

4.参加費:10スイスフラン(会食費等代)



以上

国際機関邦人職員インタビュー:国連人道問題調整事務所(UNOCHA) 沖田陽介さん

今回の国連職員インタビューでは、国連人道問題調整事務所(UNOCHA)ジュネーブ本部・ Field Coordination Support Sectionに勤務し、自然災害に対するレスキューチームの調整に携わっている沖田陽介さんにお話を伺いました。

2015年ネパール地震でOCHA先遣隊として現地に

-JPOになるまでの経緯を教えてください。

2001年に京都大学法学部を卒業後、すぐにJICAに就職しました。JICAに就職後、2番目に配属された部署が国際緊急援助隊事務局でした。災害対策に関しては全く専門ではありませんでしたが、緊急援助隊事務局は体力がある人が配属される事が多く、私も柔道をやっていたので体力を見込まれて配属されました(笑)。しかし、ちょうど配属された期間はスマトラの津波、イランのバム地震など自然災害が多い時で、いろいろと経験する事ができ、幸か不幸か専門性が身についてきました。また、International Search and Rescue Advisory Group (INSARAG) (国際捜索救助諮問グループ)という各国の捜索救助チームのネットワークがあり、日本からは人事の都合で毎年新しい人が会議に参加する一方、海外からは10年、20年の経験がある、この分野に詳しい専門家も参加していました。私自身も会議に参加しましたが、日本には専門家がいないのがとても悔しく思い、私はこの道で生きていこうと決めました。
JICAを退職してオーストラリアで外交・国際関係学の修士号を取得後、JICAの国際緊急援助隊事務局での専門嘱託、OCHAのアジア太平洋事務所でのインターン、JICAインドネシア事務所やセントルシア事務所での防災に関する企画調査員などを経て、今のJPOに至りました。

-現在の仕事について教えてください

今はOCHAField coordination support sectionで、INSARAGの事務局の副担当と、自然災害が起きた時に数名のチームを派遣してニーズアセスメントと国際捜索救助チームの調整を行うUnited Nations Disaster Assessment and Coordination (UNDAC) (国連災害評価調整チーム)のアジア地区のfocal pointとして仕事をしています。

RDCスタッフ。左から二人目が沖田氏
-実際に災害現場に行くこともありますか。
実際に災害が発生した時は現地に行って、捜索救助チームの調整をします。最近ですと2015 年にネパールで現地に行きました。地震が起きた時にはちょうど出張でバンコクに来ており、地震発生の翌日にはOCHAの先遣隊としてバンコク事務所の職員とともにネパールに入りました。そこで、空港にReception Departure Center (RDC)と呼ばれる支援の受け入れ窓口を立ち上げる仕事を任されました。
空港に一人で残り、空港当局や空港警察に必要性を説明して窓口を立ち上げようとしましたが、空港内も混乱していて誰も相手をしてくれませんでした。いろいろ歩き回って最終的に空港に併設された病院にたどり着き、たまたま女医さんに事情を説明したところ、空港当局担当者のところまで連れていってくれて、ようやく話をすることができました。警察から許可を得るのにも時間がかかりましたが、8時間位かけて窓口を設置する事ができました。そしてその後一週間くらい24時間の対応をするため空港で寝泊まりをしていました。
そこの窓口で、医療、テント、衛生などありとあらゆる全ての国際援助チームの登録をします。我々の役割は今ネパールにどれだけの国際チームがいるかを把握し、それらのチームを医療だったらWHO、捜索救助だったらOCHAの調整の傘下にいれることです。そして、ネパールの時にはカトマンズを20くらいのセクターに分けて、国ごとにレスキューチームを割り当てました。

現地到着後すぐに、レスキューフェーズ終了のタイミングを計る

-レスキューチームの調整をする上でどのような事が重要ですか。

RDCでのブリーフィング(右端が沖田氏)
我々がレスキューチームの調整の専門家として、現地に到着後直ちに考えるのが「いつレスキューフェーズを終わらせるか」ということです。地震発生後、要救助者の生存可能性は72時間~96時間までが高く、それ以降は急激に低下するとされています。それにも関わらず、レスキューチームが1週間、10日と活動をし続けると、その段階でより必要度の高い医療チーム、シェルターチームなどが現地に入って来れなくなってしまいます。また、要救助者の生存可能性がゼロに近いのにも関わらず国際捜索救助チームを派遣するよりは、むしろ 資金面の援助などの方が被災国にも喜ばれるかもしれません。そのためにはレスキューフェーズが終わったことを宣言して、世界に発表しなければなりません。

一方、被災者の心情を考慮すれば、レスキューフェーズの終了を宣言することは、被災国政府にとっては難しい判断が求められます。生存者の救出をあきらめたとも受け取られかねず、被災者の家族から非難をされる恐れもあります。しかし、レスキューフェーズの終了は必ず必要なことです。さもなければ不必要なレスキューチームがどんどん来てしまします。
ネパール地震の際は、我々の到着の翌日から、いつレスキューフェーズを終わらせるかの話し合いをネパール政府と始めていました。最後の生存者は震発生5 日後に救出され、8日後には国際捜索救助チームに対して帰国の準備を依頼するレターを政府が発出しました。また、地震発生後3日目時点ですでに諸外国に対し「現時点で出国していない捜索救助チームは派遣をとりやめてほしい」という政府の声明が OCHA を通じて発出されました。 一般的には遅くとも災害発生一週間後くらいには海外からの捜索救助隊の到着を止めるべきで、そこから先は医療などの方がよりニーズが高くなります。そういう意味で、その時点で何のニーズが高いのかを評価し、全体を調整するのがOCHAの仕事で、私はレスキューの調整を担当するものとして、いつレスキューフェーズを終わらせるかをまず初めに考えますね。

日本人として何か強みを感じる事はありますか。

そうですね、日本は災害が多い国で支援をした経験と受け入れた経験の両方があります。ですから被災国の気持ち、支援を受け入れる国の気持ちもなんとなくわかります。支援国、被災国の立場をある程度理解できている事は今の仕事にとても重要だと思っています。

自然災害の被害が集中するアジアでの対策に貢献したい

-JPOの後はどうされる予定ですか。

今の部署でもっと専門性を追求するというのも一つの選択肢ですが、いずれにしてもアジアで起きている自然災害対策に貢献したいですね。現在、多くの国際機関、世界中が中東やアフリカでの紛争災害、難民問題などに注目していますが、自然災害による死者の8割以上はアジアに集中しています。自然災害をずっとやってきたものとして、また自分自身もアジア出身のものとして、OHCAに限らず、アジアで起きている自然災害、防災対策に貢献できる仕事をしたいと思っています。

-最後にJPOを目指す人たちにメッセージをお願いします。
何が将来に繋がるかはわかりません。私自身も大学時代は法律を勉強していましたが、たまたまJICAの国際緊急援助隊事務局に配属され、今に至っています。キャリアの初めからいきなり国際機関は無理だしJPOも職歴が必要です。最初から第一希望にこだわらず、とにかくチャンスがあったら経験、職歴を積むことで、その中から新たな発見も出て来ます。ですからぜひいろんな経験を大事にしてほしいと思います。

インタビュー後に 右:沖田氏、左:板橋(聞き手)

聞き手:板橋広宣 (Graduate Institute of International and Development studies)




国際開発ジャーナル誌2016年10月号 森山 毅さん (UNHCR)

国際開発ジャーナル誌2016年10月号の「ジュネーブ便り」に掲載された、UNHCRで働く森山 毅さんの記事を転載いたしました。

国際開発ジャーナル誌2016年9月号 齋藤 香織さん (WIPO)

国際開発ジャーナル誌2016年9月号の「ジュネーブ便り」に掲載された、WIPOで働く齋藤 香織さんの記事を転載いたしました。

「JSAG会員によるエッセイの紹介」ーあと14年で「世界から貧困を無くす」ために 國井修氏

JSAGでは、会員が執筆・編集等に関わった書籍、論文、ブログなどの紹介を行います。

今回は國井修氏(グローバルファンド、JSAG会長)が日経ビジネスオンラインによせたエッセイ『あと14年で「世界から貧困を無くす」ために』をご紹介します。
新たな2030年の国際社会の共通目標「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals: SDGs)を達成するためには何が必要なのでしょうか。ぜひ以下のリンクから記事を御覧ください。

http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/222363/010600007/?P=1&rt=nocnt



また、JSAG会員の皆様で、JSAGのHP、メーリングリスト、FB等を通じて発信して欲しい情報などがありましたらぜひJSAG事務局までお知らせください。

WHO日本人職員に聞く、黄熱病の流行について


黄熱病が過去最大規模の流行に 

アンゴラで過去最大規模の黄熱病の流行が起きている。201512月に流行が始まってから黄熱病の発生は急激に増加し、現在までに800人以上の患者が確認され、10人に1人以上の割合で亡くなっている。黄熱病の流行は近隣国であるコンゴ民主主義共和国にも波及し、さらには中国でも10例以上の輸入例が確認された。

黄熱病は蚊によって媒介し、日本では野口英世が感染して亡くなった事でよく知られているように、昔から存在する病気である。すでに有効なワクチンも開発されている。

それにも関わらずなぜ大規模な流行が起き、現在どのような対策を行っているのか、世界保健機関で黄熱病の対策に携わっている西野恭平さんに話を聞いた。 

黄熱病はワクチンでコントロールが可能。あとは世界が一丸となって本気で取り組むかどうか。 

有効なワクチンがあるにも関わらずなぜ大規模な流行が起きたんでしょうか。 

アンゴラは黄熱病の流行地域とされていますが、1988年のアウトブレイク以降は1例も確認されていませんでした。そのような中、他の様々な感染症対策に重点がおかれ、ワクチンの普及率も十分ではなく、黄熱病に対する免疫を持っている人が国全体に少ない状態でした。さらには都市部での人口や人々の増加、温暖化による蚊の活動性の高まりなど様々な要因が重なり、今回の流行が起きたと考えられています。

WHOとしては、大規模なワクチン接種キャンペーンを行い、1600万人以上の人々にワクチン接種を行い、現在までにほぼ流行をコントロールすることができました。 

ワクチンの不足が起きていると聞きましたが、どのようにして確保したんですか。 
通常、緊急用のストックとして約600万本のワクチンが用意されていますが、今回の流行で大量に必要になったため、他の蔓延国で定期接種に使用される分のワクチンを優先的にアンゴラや近隣諸国で使用する事で対応しました。加えて専門家を交えてワクチンのデータを見なおしたところ、通常の5分の1の量でも通常量と同等の効果がある事を確認し、接種量を減らすことで対応をしています。
 流行が収まって来て、これからどのような対策が必要なのでしょうか。
 現在WHOでは長期的なグローバルストラテジーを作成している段階ですが、大きく分けて3つの対策が重要です。一つは先程お話したようにワクチンの普及率を上げて、それを維持すること。次に国際保健規則とよばれる国際的な感染症の流行を防ぐための取り決めに基づいた、世界的な伝播を防ぐための対策を強化することです。特に黄熱病を媒介可能な蚊が存在するアジア地域での流行が懸念されています。3つめは流行地域でのアウトブレイクに対するレスポンスを強化する事です。
 他には何か重要なことはありますか。
 特に重要なのは世界各国政府、専門機関などが一丸となって、持続的に対策を行っていくことです。WHOではこの点を特に重視し、今回の長期的なグローバルストラテジーを立案するにあたって多くのステークホルダーを巻き込み、WHOだけの戦略としてではなく、すべてのステークホルダーが一緒になって作り上げたまさに世界的な戦略を作る事を目標に現在取り組んでいます。黄熱病はすでに有効なワクチンがあり、人口の80%以上に接種すればコントロールできる事がわかっています。また、流行地域も一部の国に限られているので、他の多くの感染症と比べてもコントロールが可能な病気といえます。あとは世界各国がいかに本気で取り組むかにかかっていると思います。 

西野恭平(にしのきょうへい)世界保健機関 黄熱病(アルボウイルス)対策チ-
信州大学医学部卒業。国立国際医療研究センタで勤務後、アフガニスタン、ミャンマ-で活動。ロンドン大学衛生熱帯医学大学院修士号取得。



掲載されている見解は全て著者のものであり、特定の団体による見解を示すものではありません。

国際機関への就職についての説明会を開催しました

日本での就職活動と異なり、国際機関へはどのようにすれば就職できるのか分かりにくいのが実情です。そこで、国際機関への就職を視野に入れる日本人留学生に情報提供し、進路選択や就職活動を側面的に支援することを目的に、JSAGは在ジュネーブ国際機関日本政府代表部および日本人留学生有志の協力を得て、2016年11月25日にジュネーブのGraduate Instituteにて国際機関への就職についての説明会を開催しました。

ジュネーブで留学中の修士課程の学生を中心に23名が参加した説明会では、まず国際機関に正職員として採用されるまでのステップ、契約の種類等について概要をつかみました。続いて、国際機関への就職へのステップとなるインターンシップ、在外公館専門調査員制度、JPO派遣制度、そして国連事務局ヤング・プロフェッショナル・プログラム(YPP)について、担当者や経験者からお話いただきました。

職歴がなくても応募でき、かつ在外公館勤務を通じて国際的な経験が積める専門調査員の魅力や、現役の邦人国連職員に占めるJPO出身者割合が高いこと、そしてYPP試験受験のコツ等、留学を終えた先のキャリアを考える上で有益な情報が共有されました。


現在国際機関で働いているGraduate Instituteの卒業生と留学生との質疑応答セッションでは、卒業生から現役の留学生に対して、学生時代に取り組んでいてよかったこと、等のアドバイスがありました。異なるバックグランドの人たちと議論をすること、ネットワークを築くこと、そして語学の習得が役立ったそうです。


参加者からは、国際機関を通じて様々な問題の解決に寄与することへの強い意志が必要だと痛感した、国際機関で活躍している卒業生の話を聞いて自分も頑張ろうと思った、国際機関へ実際に入るために必要な情報を学んで役立った、等の声が寄せられました。
説明会の後に開催された懇親会では、現役の職員も多く参加しました。留学生にとって、国際機関での仕事の内容や、就職後のキャリアパス等様々な疑問点を職員に聞いてみたり、ネットワークを築く機会となったようです。

JSAGは今後も、国際機関を通じて様々な問題の解決に寄与することを希望する学生の方々に役立つよう、多くの国際機関の邦人職員の協力を得て、セミナーや情報提供等を、行いたいと思います。