ジュネーブ国際機関日本人職員会 (JSAG)

「桜満開!JSAGお花見ピクニック」のお知らせ

ジュネーブにもようやく春が訪れました。JSAGでは、以下のとおりお花見イベントを開催します。ぜひ、ふるってご参加下さい!

日時: 4月7日(土)11時~15時
場所: アリアナ公園の美術館付近  (Avenue de la Paix, 1202 Genève)
参加費: 無料

・JSAG会員にすでに登録されている方、されていない方、ご友人、ご家族、特に国際機関にご所属でない方でも、ぜひご参加下さい。JSAGイベントに初参加の方も大歓迎です。
・皆さんでシェアできるお酒、ジュース、お菓子、食べ物などをお持ち頂けると幸いです。


SDGs達成に向けて我々は何をすべきか?(3月9日講演会)

グローバルファンド 國井 修

 これは講演というよりも、インターアクティブな学びの会です。
 ジュネーブには教育、保健医療、人権、労働、知的所有権など様々な専門性を持つ国際機関があり、JSAGにそれらの専門家が多いのに、それらの専門性をぶつけながら議論をする機会がないのは「モッタイナイ」と常日頃から思っていました。 
 そこで今回は「持続可能な開発目標(SDGs)に向けて我々は何をなすべきか?」という内容で、国際機関の職員やJPOである参加者に様々な問いかけをしました。
 「MDGsとSDGsの違いは何か?」
 「それぞれの所属機関が目標としているSDGsの項目は何か?」
 「具体的にどのような目標を設定しているのか?」
 「達成の可能性は?課題は?達成に必要な努力とは?」などなど。
 さすが国際機関の職員。様々な専門の立場からご意見を頂き、お互いに学ぶことができました。
 ただし、今回は時間が限られていたので、それぞれのSDGsの目標やその達成に向けた課題は理解したが、限られた予算でこれだけの野心的な目標を達成するために、どのようなセクター間連携・協力を行うべきか、効率と効果をどのように最適化するのか、国と地域と世界でSDGs達成に向けたどのようなメカニズムを推進すべきかなど、突っ込みたい内容まで掘り下げることはできませんでした。
 また機会があればこの続きをしたいと思います。



3年間のJSAG会長職を終えるにあたって

グローバルファンド 國井 修


  2015年3月よりJSAG会長を務めさせて頂き、3年の任期を終えることになりました。
 皆様のご協力に心より感謝申し上げます。
 JSAGはすべてボランティアで成り立っていますので、私の会長としての方針は、企画運営する側も、参加する側も、無理なく、楽しく、有意義に感じてもらうことでした。
 3年間のJSAGの活動で推進したいことが3つあり、実際に以下のようなことを実施しました。
 1つめはニーズと活動の見直し。ジュネーブの国際機関に勤務する邦人職員の交流・親睦がJSAGの重要な目的ですが、 10 年以上もジュネーブに住んでいらっしゃる方から、JPOや職員になって間もない方まで様々で、皆様のニーズやご意見をお聞きしました。
 その結果、長くいらっしゃる方々はそれほど頻繁に邦人職員との交流・親睦を望んでいるわけではなく、ジュネーブに来て間もない方々は多くの情報やアドバイスを欲していました。そこで、古くからいらっしゃる方を講師やアドバイザーとしてお迎えしながら、様々な講演会や交流会、気軽に参加できる親睦会などを企画しました。
 2つめは若者パワーの活用。ジュネーブの国際機関には多くのインターン、JPOが来ていましたので、JSAGの活動の企画・運営にも積極的に参加して頂きました。交流会・懇親会のみならず、講演会や勉強会なども企画して頂きました。国際機関に就職するためのキャリア説明会、国際機関面接のアドバイスなども実施しました。
 ジュネーブ国際機関日本政府代表部(日本政府代表部)は、国際機関における邦人職員の増強を積極的に支援してくださっていましたので、JSAGとしてもいろいろな形で連携、ご協力させて頂きました。
 3つめは情報発信とネットワークの強化。JSAGのホームページやFacebookを立ち上げ、ジュネーブの様々な国際機関の活動や邦人職員の活動を発信し、「ネルソン・マンデラの日」「世界難民の日」「世界結核の日」などの国際的な記念日にその意義を説明するエッセイを掲載しました。
 また、日本の国際開発ジャーナル誌に「ジュネーブ便り」という欄を設けて頂き、ジュネーブにある国際機関の活動、邦人職員の活動をご紹介して頂きました。
 これらを通じて、日本に住んでいらっしゃる方々に国際的な課題に目を向けて頂き、国際機関の活動にご関心を持って頂けたとしたら幸いです。
 またネットワークはジュネーブにいる邦人職員のみならず、日本からジュネーブに会議や視察でいらっしゃった方々との交流なども含めて広げてきました。日本への一時帰国や出張をされるJSAGの邦人職員には、日本の大学などで講義をして頂き、情報発信やネットワーキングをして頂きました。
 私の任期中にできなかったことは、国連フォーラムやワシントンDC開発フォーラムなどとの交流、意見交換です。それらの幹事の方々と個人的に交流はもっていましたが、会としての正式な連携・協力はできませんでした。
 また、ジュネーブには多くの国際機関があり、発信すべき日本人の多くの活躍があるのですが、未だ十分にご紹介しきれていなかったのが心残りです。
 それでも、私としては多くを学び、楽しませて頂いた3年間です。
 ご支援・ご協力頂きました皆様に感謝申し上げます。
 特に、日本政府代表部の伊原大使、志野大使、紅谷書記官には、JSAGの活動に絶大なご支援を頂き、心より御礼を申し上げます。
 川上さん、田中さん、宮城島さん、矢野さんには、JSAGのアドバイザーとして、貴重なご意見・ご指摘を賜りました。厚くお礼申し上げます。
 また、ILOの茶谷さんには事務局長として3年間支えて頂き、本当にありがとうございました。また、浅海さん、上月さん、木津さん、城取さん、辻田さん、長谷部さん、濱田さん、牧野さん、湊さん、モンルワさん、ジュネーブを去られてしまいましたが、伏見さん、黒岩さん、敦賀さん、松本さん、美濃羽さん、森山さん、幹事としてJSAGを、そして私を支えてくださって本当にありがとうございました。
 
 会長職は去りますが、今後もアドバイザーとしてJSAGを支えたいと思います。
 新会長となりました高木さんと新事務局長の辻田さんを支えて、皆さんでJSAGを大いに盛り上げていきましょう。
 この3年間、本当にありがとうございました。皆様のご健勝とご活躍を祈念しています。

JSAG年次総会のご報告

ジュネーブ国際機関日本人職員会(JSAG)では,会則に基づき,2018年度の総会を去る3月9日に在ジュネーブ国際機関日本政府代表部にて開催いたしましたので,会員の皆様にご報告いたします。

(議題1)総会の冒頭,会則上の3年の任期を満了されました國井修会長より,ご挨拶のお言葉を頂きました。こちらの記事をご覧下さい。
(議題2)昨年の活動報告ならびに会計報告を行いました。

 
 


(議題3)紅谷一等書記官より,「国際機関における邦人職員の動向,代表部の活動」につきお話頂きました。政府が掲げる邦人職員数の目標を達成するための取り組み(JPO派遣者数の増加等)につきご説明頂きました。詳細はこちらの記事をご参照下さい。
(議題4・5)運営委員会が提示しました,世界知的所有権機関(WIPO)事務局長補の高木善幸氏を次期会長として推薦する決議案につき,会員用メーリングリストを通じ,事前に運営委員会案に関する異議申し立てを受付けましたが,異議の申し立てはありませんでした。また、決議案が総会参加者による全会一致で承認されました。

 

(議題6)今年の活動方針等について報告しました。


(議題7)参加頂きました会員の方々と質疑応答を行いました。ジュネーブ在勤の国際機関の邦人職員の名簿作成や,情報発信等について意見交換がなされました。

JSAGでは今後も,会員間の交流・知識共有の促進,国際機関の活動や就職に関する情報発信,および国際機関邦人職員の増強への貢献に微力ながらも努めてまいりますので,会員の皆様の温かいご支援・ご協力をお願い申し上げます。

JSAG運営委員会

国際機関日本人職員増強のための取組


39日に開催されたJSAG総会において,在ジュネーブ国際機関日本政府代表部の紅谷書記官に日本政府の国際機関における日本人職員の現状や増強施策についてお話を伺いました。紅谷書記官は2006年に人事院に入庁し,20154月から在ジュネーブ国際機関日本政府代表部で主に国際機関の日本人職員増強に関する施策を担当しています。

○ 国際機関に勤務する日本人職員の現状について教えて下さい。

現在,国連関係機関で勤務する専門職以上の日本人職員は約800名ですが,他の主要国に比べるとまだまだ少ないのが現状です。日本政府は,国連関係機関で働く日本人を2025年までに1000人に引き上げるという目標を掲げており,一人でも多くの日本人が国際機関に就職し,そしてより高い役職で活躍できるよう,その支援を行っています。
ジュネーブには国連をはじめ様々な国際機関の本部や事務所が置かれており,2018年3月現在,約150名のプロフェッショナル職員が勤務しています。また,13名のJPOがジュネーブで勤務しています。(JPOについての詳細は後述)

○ 日本人職員を増強するため,日本政府はどのような取り組みを行っていますか。

国際機関への就職を希望する若い方への就職支援施策として,JPOJunior Professional Officer)派遣制度があります。外務省では,将来的に国際機関で正規職員として勤務することを志望する35歳以下の若手日本人を対象に,日本政府が派遣にかかる経費を負担して一定期間(原則2年間),各国際機関に派遣し,国際機関の正規職員となるために必要な知識や経験を積む機会を提供し,派遣期間終了後も引き続き正規職員として派遣先機関や他の国際機関に採用されることを目的として,同制度を実施しています。
これまで多くの日本人がJPOを経て国際機関の正規職員となっており,近年では,派遣者数を増やすとともに,その後の定着率を高めるべく,派遣先の事務所や部署に関する情報収集や派遣後のサポートなども強化しています。
2018年度(平成30年度)のJPO派遣候補者選考試験(JPO試験)については,315日に募集要項が公表されました。応募受付期間は4月1日(日)から5月7日(月)までとなっています。
また,幹部職員を増やすため,各機関における幹部ポストの空席情報の収集や就職希望者への情報提供,中堅レベルの職員を派遣するための取組を行っており,2017年度には,「国際機関幹部候補職員選考試験」を実施しました。
さらに,保健関係では2017年に,国立国際医療研究センターにグローバルヘルス人材戦略センターが設置され,国際保健人材の発掘,候補者への情報提供,セミナーの実施などの事業を行っています。

○ 最近のジュネーブ代表部の取組について教えてください。

ジュネーブ代表部でも各機関の人事や空席等の情報収集を強化するとともに,日本人職員の動向を把握することに努めています。
また,国際機関への就職希望者を増やし,その具体的な就職方法や,JPO派遣制度をはじめとする外務省の実施する支援方策など,国際機関への就職に役立つ情報を提供することを目的に,国際機関への就職方法に関するガイダンスや,実際に国際機関で働いている日本人職員の方との意見交換会などのイベントを開催しています。

○ 具体的にはどのようなガイダンスやイベントを行っているのでしょうか

201712月には,ジュネーブ代表部において,ジュネーブ近郊の大学に在籍する留学生やインターンの方を主な対象とし,国際機関就職説明会を実施しました。説明会には,国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)本部で勤務されている白戸純シニアリーガルオフィサーにお越しいただき,UNHCRの業務内容,職員数等のデータ,JPOから正規職員となった経緯やこれまでのキャリア,現在の担当業務などについてお話いただきました。また,説明会の後にはJSAG会員の皆様との意見交換会を開催し, 8の国際機関から15名の日本人職員にご参加いただき,それぞれの国際機関での仕事内容や,就職方法,キャリアの積み方などについて活発な意見交換が行われました。
20182月には,初めての試みとして,フランス・リヨンに出張し,リヨン近郊の日本人留学生の方や国際機関への就職に関心のある方を対象に,国際機関就職ガイダンスを開催しました。同ガイダンスには,国際移住機関(IOM)本部事務局長室で勤務されている望月大平上級連絡調整官にお越しいただき,お話やアドバイスをいただきました。
 さらに,3月には当代表部において,国際機関のインターンへの応募や,JPO試験への応募を検討している方を対象に,国際機関の応募書類の書き方に関するセミナーを開催します。国際機関への就職やキャリア形成には空席に応募することが常に求められるため,採用担当者の目に止まる履歴書や,簡潔で要点を押さえたカバーレターを書くスキルが重要となっています。講師にILO人事局の伊藤美保子採用担当官をお迎えし,採用側から見た効果的な履歴書やカバーレターの書き方や,応募の際に注意すべき点等についてお話いただきます。
ジュネーブ代表部では,今後も国際機関志望者への情報提供の機会を積極的に設け,候補者の発掘に努めていきたいと考えておりますので,引き続きJSAGの皆様にもご協力をいただければ幸いです。

(注)インタビューの内容については、個人的な見解であり,所属組織の公式見解ではない旨、ご了承ください。





国際機関邦人職員インタビュー 世界保健機関(WHO) 濱田 洋平さん

WHO グローバル結核プログラム テクニカルオフィサー(JPO)
濱田 洋平

JPO勤務に至るまでの経緯を教えてください

もともと国際保健に興味があり、医学部を卒業後、内科の臨床研修の2年間を経て、感染症の研修を3年間行いました。研修期間中のHIV患者さんの診療を通して感じたのが、現在のHIVの治療薬は非常に進歩しており、早期にHIVが診断され、病院を受診し、標準的な治療を受ければ、ほとんどの場合は寿命を全うする事ができるということです。しかし、残念ながらHIVの発見、病院受診が遅れたためだけに命を落とす人々が日本でも未だに多くいます。また、途上国では先進国での標準的な治療薬もなかなか使うことができません。これらの事は医師の診療だけで解決できる問題ではありません。よって、どのようにしたらすでに確立した最適な治療を届ける事ができるのかと考えるようになりました。また臨床研修の期間中に、HIV検査、カウンセリングの質を改善するというJICAによるケニアでのプロジェクトにインターンとして2ヶ月間関わる機会を得ることができました。それまでの患者さんを診るという経験とは全く異なるものでしたが、とても興味深く感じました。そのような経験から公衆衛生についてより学んでみたいと思い、公衆衛生の修士号を取得したのち、WHO本部のグローバル結核プログラムにJPOとして着任することになりました。

業務内容について教えてください

業務はいろいろとありますが、ここ最近の主なものは、潜在性結核に関する新しいガイドラインの作成です。最近までは潜在性結核の治療というのは6ヶ月間毎日薬を飲む必要がありましたが、ここ最近になって3ヶ月間、週一回の内服ですむ治療が確立され、米国などの一部の国で使われるようになりました。しかし、途上国ではその使用に関するWHOの推奨はなく、未だに6ヶ月間の内服治療が行われています。そこで、これに関する新しい推奨を含めて、最新の知見に基づいた潜在性結核の診断、治療の新たなガイドラインを作成する事になり、主任担当者として関わることになりました。その作成のプロセスが2016年の6月に始まり、専門家会議などを経て、2017年9月にようやくWHOのガイドライン審査委員会への最終稿の提出にこぎつける事ができました。それに至るまではガイドライン作成部会の裏方としての非常に地道かつ時に地味な作業です。例えばガイドラインのプロポーザル作成、ガイドライン委員会に招聘する専門家の候補者のリストアップ、専門家との連絡や、会議の運営などです。また、推奨の根拠(エビデンス)を検討するための、論文の総括的レビューを自身でも担当し、PCの画面でひたすら論文を読むことが続くこともありました。このような仕事は実際に患者さんを診ることとくらべると日々の手応えはやや感じにくいものがあります。しかし、すべての下準備を終えてガイドライン作成会議が開催され、各国からの多種多様な専門家とともに、ベストな潜在性結核の診断、治療を真剣に議論し、推奨ができあがった時はとても感慨深かったです。また、実際に作成したガイドラインにより潜在性結核のよりよい治療方法を多くの人々に届ける事ができるかもしれません。このようなところがWHOで働くことの醍醐味であると思います。

WHOでの勤務を目指すにはどのようなキャリアが求められると思いますか

医学生などでWHOのインターンに来る人たちに必ず聞かれるのが、どのくらい臨床経験を積むべきかということです。これは自分自身もよく考えました。答えは様々だと思いますが自分なりに感じたことを示したいと思います。


WHOでの職務は臨床経験が求められないことも多く、必須ではありません。むしろ、臨床経験だけでは不十分と言ってよいでしょう。しかし、だからといって臨床経験が全く役に立たないわけではなく、業務内容によっては求められる事もありますし、ガイドラインの作成や専門家との議論の際に役立つこともありました。臨床経験はあくまで、疫学、統計、プロジェクトマネージメント、経済分析、発展途上国での実務経験などの数ある強みのなかの一つだと思います。WHOでもポストによって多種多様なスキル、経験が要求されるので、臨床経験がなくても他の強みを活かす事ができると思いますし、逆に臨床経験が活かされる場合もあるでしょう。ですので結局は自分に合ったスキル、経験を磨きながら、臨機応変にその時点でのベストと思える選択をしていくということに尽きると思います。これから国際機関でのキャリアを目指す人々の成功を祈念いたします。

経歴
長崎大学医学部医学科卒業。国立国際医療研究センター内科初期研修、感染症後期研修を経て2015年3月から2017年11月までJPOとしてWHOグローバル結核プログラムに勤務。医師、公衆衛生学修士。

日本人職員との意見交換会

JSAGは12月7日(木),ジュネーブまたは近郊在住の日本人留学生やインターンの方々を対象とした,国際機関に勤務する日本人職員との意見交換会(在ジュネーブ国際機関日本政府代表部主催)に協力しました。同会は国際機関への就職方法等に関する説明会に引き続いて行われ,参加した25名の留学生・インターンの方々から,国際機関での仕事内容や,その魅力,これまでのキャリアなど,様々な質問が職員に寄せられました。

意見交換会の冒頭でJSAGの國井会長は,国際機関の職員を目指す上で,パッション(情熱)をもって仕事にあたること,そして失敗を恐れず,失敗から学んで強くなることの重要性を述べました。ご自身のキャリアについても触れられ,様々な経験を積んでから国際機関で働くメリットについて言及し,キャリアパスの多様性についても述べました。


参加した国際機関職員からは,留学生・インターンの方々が開発の諸課題について熱意をもって学究に取り組んでいることを歓迎し,励ます言葉が聞かれました。国際社会の課題解決に情熱を示す彼らが,いつか国際的な舞台で活躍してくれることをJSAGとしても応援したいと思います。