「管理職へのキャリア構築」セミナーを開催しました

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国際機関へ就職し、正規ポストを獲得するまで熾烈な競争が展開されますが、国際機関の正職員になっても安心していられるわけではありません。日本では入職すれば人事部がある程度キャリアパスを用意してくれることもあるようですが、国際機関では職員が自らキャリア開発に主体的に取り組む必要があります。そこで、中堅レベルの邦人職員を対象に、幹部ポストに必要とされる見識をやコンピテンシーについて理解を深めるため、JSAGは2016年4月12日に在ジュネーブ国際機関日本政府代表部にて、「管理職へのキャリア構築」セミナーを開催しました。

ジュネーブ在住の11人の邦人職員が参加したセミナーでは、国際機関の人事で25年以上の経験を持つ講師の小島晶子様から幹部ポスト(P5、D~)を目指すにあたって重要なことを解説してもらいました。キャリア構築の要素や・ステップ、幹部に求められるコンピテンシーなど理論的な側面のみならず、幹部ポストを目指す上で求められる実践的な行動に至るまで、豊富な事例を交えてお話頂きました。密度の濃いセミナーの内容を要約することは容易ではないのですが、いくつかポイントを紹介します。
  1. キャリア開発の第一歩として、他者のフィードバックを活かして自己分析をする。意外と自己理解が不十分なことが多く、他者の評価は自分を知るバロメーターになる。
  2. キャリアアップの可能性と機関の政治文化について熟知し、環境を分析した上で、明確なキャリアプランを立てる
  3. 上司のサポートと機関が提供する研修等のサービスを活用しながら、プランを実行する
  4. フィールドポストや短期のアサインメント等にチャレンジし、積極性をアピールする。セルフ・ブランディングが重要。
  5. ロールモデルやメンターを活用する。早い段階でアドバイスをもらうことは有効。
  6. 機関が定義する管理職に求められるコンピテンシーを熟読し、理解する。求められるコンピテンシーは自分で思い描く管理職像と異なるかもしれない。
  7. 機関によって若干異なるが、管理職に必要なコンピテンシーは
  • Leadership
  • Judgement and decision making
  • Performance management
  • Strategic vision
  • High-level representation, liaison
  • Political savvy
  • Managing change

参加者間で各機関のキャリア開発の取り組みについて情報交換したほか、講師との質疑応答(「コンピテンシーはどのように測定されるのか」、「フラットな組織で上級職のポストが限られている場合はどうするのか」等)が行われました。参加者からは、管理職を目指すことを戦略的に捉えられるようになった、機関が提供する研修をキャリア開発に活用することの重要性が分かった、等の感想が寄せられました。

なお、講師の小島様にはJSAGの同ホームページにキャリア開発に関する記事をご寄稿頂いております。また、小島様が運営するウェブページ「キャリア国際機関」(http://careerkokusai.com/)にも、長年に渡る経験を活かした記事・情報が掲載されています。ご関心のある方はぜひご覧下さい。


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